回想法とは…?
アメリカの精神医科、ロバート・バトラーさんによって創始された心理療法です。
僕たちの認知症対応型デイサービスでも、昔の色々な写真を見てもらいながら、その思い出を話していただくことで、認知機能の刺激を目指しています。
と、こう書くとちょっと難しいのですが、
要は「色んな写真を見ながら楽しくお話してもらうこと」
ほんとに、僕たちがびっくりするほど色んな思い出を、それもものすごく楽しそうにお話ししてくださるその時間が、僕は大好きなのです。
で、今回のテーマがこちら

あけび!皆さんご存じでしょうか?
あまり馴染みのない方も多いかも知れませんね。これは僕も子供の頃に山登りをしたとき、
たまたま見つけて食べたことがあるのですが、そう、山とか、あと河原によくあるそうです。
で、そのお味なのですが、「とにかく甘い!そして種ばっかり!」なのです。
色んなご利用者さまにその味の感想をお聞きしますが、ほぼ100%そのような感想です。
でも中にはやっぱり独特な感想をお持ちの方も多く、そのいくつかを紹介します。
『あけびは世界中でいちばん美味しい』
90代、男性のご利用者さまの一言。昭和初期に生まれた方々にとって、甘いものなんて
滅多にあたらなかった時代です。だからこそ、そのあまりの甘さが忘れられないのでしょうね。
『あの味は絶対に忘れられない、最高や、忘れられない最高の味や』
その方は続けてこのようにお話されました。認知症の中核症状でもある記憶障害があり、
5分前にごはんを食べたことも、奥さまの名前でさえも思い出せないその方が、
「絶対に忘れられない」とまで仰るのですから、相当記憶と心に刻まれているのでしょう。
『種も皮も食べられる』
その方はこうも仰いました。そう、あけびはほんとに種ばっかりで、口に含んで甘い汁だけ
吸って、種はペッと吐き出すのがメジャーな食べ方なのですが、その美味しさを僕たちに熱弁したくて、そのように言われたのかも知れません。それを聞いていた隣の女性ご利用者さまの一言、これまた忘れられない言葉でした。
『あんな硬いもん食べられるわけないやろ、あほやな、知らんのやろ』
ちょっと言い過ぎのような気もしますが…でも東北の方では皮も料理して食べられるそうですね、とあるテレビ番組の〇〇ショーでもやっていましたね。
でも、この女性ご利用者さま、普段は口数が少なくて、あまりしゃべることもないのです。
その男性ご利用者さまにしても、普段は怒りっぽく、口を閉ざして眠っていることも多い。
そんな皆さんが、饒舌になり、笑顔で、時には感情をむき出しにして口を開いて下さる。
回想法は、そんな不思議な効力があり、その効果はまさにバツグンなのです。
今回はあけび編での皆さまの素敵な言葉をご紹介しました。
『認知症の方の素敵なつぶやきを発信したい』
そんな思いで、これからも日々のケアを通して得られた素敵な言葉の数々をご紹介していきたいと考えています。介護に関わる皆さまの心がちょっと癒されるような、そんなブログを目指していきたいと思います!☺

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