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介護において、『接遇』を何よりも大切にするべき3つの理由

目次

そもそも『接遇』とは?『接客』とどう違うの?

介護の仕事をされている方にとっては、必ず耳にしたことがあると思いますが、そうでない方にとっては、あまり馴染みがない言葉かも知れません。実際私も介護の世界に入って初めて耳にした言葉でした。
色んな定義もあるようですが、一言で表すとすれば、
接客をさらにもう一歩深めて“進化させたものが接遇となります。
例えばデイサービスで朝、ご利用者さまをお迎えして挨拶をするとき、

介護士

○○さん、おはようございます。

ご利用者さま

はい、おはようございます、今日もよろしくね。

というのがごく一般的な『接客』、当たり前の挨拶ですね。これを『接遇』レベルに置き換えると…

介護士

○○さん、おはようございます!あれ~、今日のスカーフ素敵ですね、すごくよく似合ってます!ご自分で買われたんですか??

Aさん

え~ありがとう!実はこないだ誕生日に息子がプレゼントしてくれてね~…

と、こんな感じをイメージしていただければと思います。
『接遇』を意識した職員から、このように挨拶をされたご利用者さまは、きっとこの後嬉しくなって色々とお話をしてくれるのではないでしょうか。
そしてそのやり取りは、その方の心に、深く刻まれることになるのです。
私自身も、ゴルフ用品店の販売員時代に常々意識していた教えがあります。
「お客様がお金を支払ってサービスを受けている以上、『満足』して当たり前。その上を目指すのであれば、『感動』を与える販売員であれ!
マニュアルだけでは到達できないし、これといった正解があるわけでもない。でも、自分なりに一生懸命に試行錯誤を繰り返して、お客様に『感動』を与えることができていた結果が、個人売上全国ナンバー1という成果に結びついていたのだと、『接遇』を本気で学び始めた今では強く思います。
では『感動』を与えるには具体的にどうすればいいのか、その辺りのことは今後アップしていく予定ですので、よろしくお願いします。

接遇』とは、おひとりおひとりと心から向き合うことで初めて可能となる、『接客』よりさらに一歩踏み込んだ『感動』を与えるレベルのサービス!

介護の世界に飛び込んではや5年が経ちましたが、元接客業の立場から見てこの『接遇』の大切さを、正直めちゃくちゃ痛感しています。
なぜかというとその意識がまだまだ全然足りていないから。
長らく介護の世界にどっぷりと浸かっている経験年数の長い方、または入社したての若い職員さんが、ご利用者さまを”お客様”としっかりと認識できていて、それが行動につなげられている割合は、ごく限られているのではないでしょうか。
高いホスピタリティをお持ちの介護職の方の中には、ちょっと違和感を感じてモヤモヤしてるけど、まあ、仕方ないかな…と目をつぶっている方も少なくはないのではないでしょうか。
私は、そんな状態に危機感を覚えています。
もっともっと、『接遇』は追求されるべきだと強く信じています。
では、介護の仕事において『接遇』をなぜ何よりも大切にしなければならないのか。
その理由を3つ挙げていきたいと思います。

何よりも大切なご利用者様のため

もはや当たり前過ぎて言うまでもありませんが、それでも敢えてお伝えしたいと思います。
何よりも大切なご利用者さまのためにこそ、接遇は存在しているのです。
ていねいな言葉遣いで、まっすぐな愛とまごころを込めて、おひとりおひとりと接する。
介護福祉士の資格保有者は、法務省のデータによると令和3年9月時点でおよそ180万人。
資格取得の勉強の際に、必ず学んできたはずです。それなのに…

介護士

○○ちゃ~ん、おやつだよ~

介護士

○○さ~ん、お風呂行くよ~

介護士

あら~、お薬ちゃんと飲めて偉かったね~!

などなど…いやいや違うでしょ!という声掛けが、どれほど平然と横行していることでしょう…
ほぼ無意識の内にそういう声掛けをしてしまっている介護福祉士が、どれほど多いことか、特に現場の最前線におられる方々には、よく分かっていただけるのではないでしょうか。
もう一度確認しますが、ご利用者さまは、お客様なのです。
お金を支払って私たちのサービスを受けて下さっているのです。
それ以前に、人生の大先輩なのです。
ご利用者さまは、見てないようで見ておられます。聞いてないようで聞いておられます。
職員の言動ひとつひとつに、とても敏感なのです。
信頼できる職員かどうかなんて、あっという間に見抜いてしまわれるのです。
私たちが考えている以上に。
せっかく縁あって自分たちの施設のサービスを選んで来て下さっているのですから、気持ちよくご利用していただけるよう最善を尽くすのは、私たちの使命でもあるはずです。
私は毎朝、出勤する車のなかでこのように自分自身に言い聞かせています。

『今日もおひとりおひとり、ていねいに!

施設を存続させていくため

接遇』は、皆さんが働いている施設を存続させていくにも必要不可欠です。
基本的には市内の高齢者の方々が利用することになるケースがほとんどである介護の世界では特に!
なぜならその施設の評判が、口コミで左右される可能性が非常に高いから。
現在はサービスをご利用者さまが自分で選ぶことができる時代です。実際にはご本人というよりは、ご家族様が選択することの方が現実的には多いかも知れません。
つまり基本的な『接遇』ができていなくて、それをご家族さまが目にしたり耳にしたりした場合、
「あそこのデイサービスの職員さんはこないだ家のお婆ちゃんにあんなこと言ってたのよ~」
などと、だんだんと選ばれなくなっていくのです。
もし仮にそれがケアマネジャーの耳にまで届くようであれば、もはや決定打となるのではないでしょうか。
また、2025年、もう来年にはいわゆる「団塊の世代」の方々が後期高齢者となる時代がすぐそこまで来ています。昭和という激動の時代を、強く生き抜いてきた方々です。
多少気に入らないことがあっても、
「私が文句なんて言ったら職員さんにも悪いし、家族にも迷惑かけてしまうかもしれないし、私さえちょっと我慢すればいいんだから…」
と、穏便に済ませてきて下さった方々とはまた話が違ってくるのではないでしょうか。
だからこそ、逆に『接遇』がすごくしっかりしている施設は、間違いなく多くの信頼と支持を得ることができるのです。

施設の評判はご家族さまの口コミで決まる!

最終的には自分自身のため

これは私自身の経験からの話なのですが、接客業から介護の世界に入った当初は、やっぱり分からないことや戸惑うこと、心配も多くて、はっきり言ってご利用者さまよりも先輩の職員さんの目を気にしながら仕事をしてしまう日々が続いていました。
もともと、『純粋に人の役に立てると実感できる仕事をしたい』と介護の世界に足を踏み入れたのですが、その願いがなかなか叶わず、精神的にも辛い日々が続いていました。
恐らく同じような思いをしている方も多いのではないのでしょうか。
そんな時、事業所内の異動があり、認知症対応のデイサービスに移ったのですが、そこで出会った先輩職員の方々の動きを見て、衝撃を受けたのです。
ご利用者さまへの接し方が、とんでもなく素晴らしかった。
そこでのケアは、気配りの広さと細やかさにていねいさ、深さと明るさまで、まごころと愛のすべてが、まるでタテに圧縮されて全部つまっているかのようでした。認知症状故に孤立しがちな方にも、一切の妥協やためらいを振り払い真摯に向き合っていく無尽蔵の愛がありました。何かの条件など関係なしに、「ただ、あなたがいるからー」それだけの理由でなされていくケアを目の当たりにして、私の心は震えたのです。
なぜなら、それこそがまさに自分の目指すところであり、すぐ目の前に自らの理想があることがとても嬉しかったから。
「そうそう、コレだよ…」
そこから私は一気に覚醒し、介護の『接遇』の道を邁進することになるのですが、そうなるとあら不思議!
これまで「仕事に行くのが嫌だな…」と思うことも何度もあったのですが、それ以降は微塵も思わなくなったのです。
それよりも、「今日はどういう風に〇〇さんと接しようかな」とか、「どうするともっと心を開いてもらえるかな」と考えることが楽しくて仕方なくなり、結果的にご利用者さまの心にていねいに踏み込む術が、どんどんレベルアップしていく実感、介護の仕事を選んで本当に良かった、そう心から思えるようになったのです。
それはやはり『接遇』を究めていきたいと強く願ったあの日が境だったと思っています。
同じように仕事をするなら、『接遇』を大切にして、やり甲斐のある毎日にしていきませんか?
介護の仕事って、本当に本当に尊いものだと思います。

接遇』を意識すると、毎日の仕事がとんでもなく楽しくなる!

以上が『接遇』を大切にするべき3つの理由です。
今後は、さらに細分化していき、実際のケースも交えて具体的なところまでお話できればと考えています。
最後まで読んで下さりありがとうございました!

最後にもうひとつ…

今回のこの『接遇』もそうですが、仕事に対する考え方、特に対人関係に悩んでいた時に出会った一冊の本。
めちゃくちゃ参考になりました。
興味がある方は是非ご一読下さい。私が人生で出会った中でも間違いなく3本の指に入る超名作です!

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